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第8回北海道淡水魚保護フォーラム

川と魚を対象とした環境教育

丸山博子(丸山環境教育事務所)

丸山博子(Hiroko Maruyama)
1958年札幌生まれ。1992年に個人の自営業として丸山環境教育事務所を主宰し、現在に至る。環境教育の企画運営、プログラムや教材の開発、指導者の養成研修などを通じ、「協働型社会への参画の仕組みをつくることにより、次代を担う人を育てる」という目的で活動を展開。北海道教育大学卒業。現在、札幌市環境保全アドバイザー委員、札幌市環境審議会委員、札幌市都市景観審議会委員などを務める。著書に『北海道ファミリーおでかけガイド』(共著)ベネッセコーポレーション、『親と子の週末48時間』(共著)⑭小学館など。趣味は、鼻歌を歌いながら森を歩くこと。

 


 日本で環境教育の必要性が高く論じられるようになってから約20年が経過し、2003年に「環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律(環境教育推進法)」が制定された。この法律は、環境教育を推進し、環境の保全についての国民一人一人の意欲を高めていくことなどを目的としている。環境問題を解決し、環境を保全し、持続可能な社会つくるためには、規制、調査研究、技術革新などさまざまな方法が存在するが、教育という方法で意識改革を行なうものが環境教育である。この法の制定は、教育という手法の重要性と必要性が再確認された証といえる。

 教育の最大の特徴は、多くの人が「受け手」のみならず「担い手」として参加することが可能なことである。暮らしや仕事などの日常の営みのなかで、またそれぞれの興味や専門性を生かして、数多くの市民、多様な参加者によって成果をあげることが期待される。そして、意識改革がおこなわれることで、規制はより遵守されやすくなり、新しい技術革新が生まれ、使われる可能性も高まる。

 環境の保全についての国民一人一人の意欲を高めていくためには、生きていくためのあらゆる恩恵を環境から受けていることを体験的に学ぶことが効果的であり、保全活動を進めるためには、保全の目指す方向性を知ることが必要であるが、そのどちらのためにも正常な自然のしくみやいとなみが健在する自然環境の存在が不可欠である。そして、生態系が健全なかたちで保たれているとしたなら、自然のすぐれたしくみを学ぶことができるだけでなく、同時にその生態系を保ち、支えるための技術や仕事、活動などの存在を知り、さらには環境をはじめ社会や地域の問題や課題、価値観を知ることが可能となる。


 このような活動に取り組んでいる河川環境活動団体の活動紹介や河川環境教育に関する調査から、川と魚を対象にした環境教育の重要性を再確認すると同時に、そこから考える環境教育の現状と課題、および川からはじまる環境教育の可能性についての所感をお話ししたい。