ホームページ 北海道淡水魚保護フォーラム報告 オピニオン 運営委員 書庫 お問い合わせ 活動の記録 更新履歴

第4回北海道淡水魚保護フォーラム

環境保護をどのように進めるか
改正河川法・自然再生法をどう生かすか


畠山 武道 (はたけやま たけみち)
 北海道大学法学部



1.河川法改正までの歩み

長良川河口堰問題と批判の高まり
北海道の時のアセス
建設省・大規模公共事業の見直しとダム事業審査委員会(1995)
次々とだされたゴーサイン(中止・休止は14事業中4のみ)
明らかになった問題点
・事業評価の趣旨・目的
・事業の必要性より進捗状況が問題
・環境への配慮とは無関係



2.実現した河川法の改正

「河川環境の整備と保全」が目的に加えられる
工事実施基本計画を河川整備基本方針と河川整備計画に区分
河川整備基本方針の作成に住民参加規定はない
河川整備基本方針で、工事の大枠がほぼ決まる
河川整備計画と住民参加-今回の改正の目玉
 ・原案から案を作成する過程で、「公聴会等による住民意見の反映」
 ・すべての河川事業が審議の対象となるのではない
 ・「河川整備基本方針に沿って計画的に実施する事業」のみ
河川整備計画の作成後の手続が欠落
 ・住民意見反映は、法律上は計画の案の策定まで
 ・その後の実施計画作成等は役所の中にもぐってしまう可能性大
 ・具体的な事業実施計画、工事の方法まで見届ける必要



3.その後の動き

各地に流域委員会が設置
北海道では天塩川、沙流川、留萌川について河川整備基本方針が作成済み
沙流川、留萌川について河川整備計画が作成済み
何が問題か
・河川整備基本方針による拘束
・委員会の人選
・原案作成者は誰か
淀川水系流域委員会の新しい試み
54人の委員から構成、委員は新聞、HP,ニュースレター等で公募
地域別部会3,テーマ別部会4
河川整備計画の原案提示前の「提言」の作成
「提言」に直接の拘束力はないが、趣旨尊重を盛りこむ



4.自然再生推進法と住民参加

始まりは、小泉首相設置の「わ環の国づくり会議」提起の「自然再生型公共事業」
事例:釧路湿原、渡良遊水池、荒川上流、鬼怒川上流ダム群、広島・山口弥栄ダム、東京湾、大阪
湾、標語東播海岸、竹原港海岸、松戸公園、埼玉くぬぎ山地他
予算も大幅増、新しい公共事業ラッシュになる危険
自然再生事業の進め方・プロセス 
・理念なき自然の再生→現地を深く知り、再生すべき自然とは何かを議論する必要→ 
 自然再生協議会以前の現地を知る段階からの住民参加、住民組織が必要
・自然再生協議会の立ち上げ段階における協議会運営方法等の徹底的な討論
・協議会のメンバーをできるだけ多くして(公募)、広く住民参加を図る
・協議会が作成する全体構想にどれだけ住民意見を反映できるか
・住民パワーで協議会運営を主導しなければ、行政に利用される危険大
・地域の人材-地域の環境を知る専門家、住民を豊富に集められるか



5.渓流魚保護をどう進めるか

レッドデータブックの無力
種の保護条例による希少野生動植物種の指定、あるいは地域個体群で保護
個体の捕獲禁止・所持禁止
生息地等保護区を天然河川の一部について指定する
内水面漁業調整規則によるサクラマスの捕獲禁止
水産資源という扱いからくる保護の限界、利害関係者の範囲の限定
天塩川流域・河川整備計画の進捗
・流域懇談会は、「提言」をまとめて終了
・その後の計画作成にどのように生かされるか、さらに具体的な事業計画にどう反映されるのかに注目。
・具体的な事業計画や工事の進め方について常時関与できる住民組織が必要
・事業実施のモニター、復元事業の効果などの長期的測定が必要



6.まとめ

地元団体と連携しつつ、北海道全体における取組みが必要
北海道河川整備憲章、渓流魚保護憲章などの策定、ひろく政策提言する必要


「北海道・淡水魚保護フォーラム No.4
 「川の環境と魚の豊かさ」(2003年7月13日、旭川市大雪クリスタルホール) 講演要旨
 (C)2003 Takemichi Hatakeyama, All rights reserved.