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第3回北海道淡水魚保護フォーラム

遊漁指針に基づく内水面の取り組み方向

長谷川勤

長谷川 勤 (はせがわ つとむ)
 
北海道水産林務部漁業管理課



 道では、漁業と遊漁とが限りある資源の持続的利用と水面の秩序ある利用を図ることを基本理念として、遊漁者や遊漁団体と漁業関係者、行政などが連携して具体的な取り組みを進め、本道漁業の安定的な発展と遊漁が道民の健全なレジャーとして定着していくことをねらいとした「北海道遊漁指針」を昨年4月に策定しました。



遊漁指針に基いて枠組みを検討

 この指針が策定された背景には、近年、生活の「ゆとり」や「うるおい」を自然とのふれあいに求めるライフスタイルの変化に伴い、道民のレジャーの一つとして遊漁が盛んになってきた結果、海面では、漁場や資源などの利用をめぐる様々なトラブルが発生し、また、内水面においては資源の適切な利用や管理を考えていく必要があるなど、遊漁におけるマナーの徹底やルールづくりが求められていることがあります。

 道としては、今後、この指針に基づき「北海道にふさわしい遊漁の枠組みづくり」に取り組んでゆくこととしており、その方向として、マナーやモラルの向上、ルールに基づく資源及び水面の利用、遊漁を活用した地域活性化の推進を掲げております。

 遊漁に関する新たな仕組みづくりとして、内水面においては、サケ等を対象とした「内水面ライセンス制度」などの導入、ブラックバスなどの外来魚の移植制限及びサケ・マスや在来魚が生息する環境の保護に努めてゆくこととしております。

 内水面ライセンス制度に関しては次のような検討をしています。

 忠類川など道内4河川で実施されているサケ・マス釣りは、サケマス資源の有効利用の調査を目的として実施されているものですが、本調査の成果を踏まえて資源の利用方法や管理の仕組みを確立して、将来的には現在のような調査ではなく北海道にふさわしいサケ釣りのスタイルを構築してゆく必要があると考えます。

 制度的に現時点で想定されるものとしては、第5種共同漁業権に基づき漁協が定める遊漁規則による方法と、知事の許可による方法が考えられますが、いずれの方法においても実現に至るまでは様々な課題を整理していかなければなりません。

 例えば共同漁業権の場合は、漁業権という手法が馴染むのか、漁協だけで管理が可能なのかなど。知事許可にしても毎年約2万人に及ぶと予想される申請に対する許可事務をスムーズに実施できるか、また、管理をどのように実施するのか等、クリアーしなければならない課題が山積しています。

 ライセンス制度の検討はサケマス釣りを実行させる手段だけではなく、資源利用の方法や管理の仕組みづくりにも大いに参考になり重要であると考えられることから、意義のある仕組みにしていかなければならないと考えています。

 「外来魚の移植制限」については、沖縄県を除く各都道府県の調整規則で定められており、道では、昨年10月に北海道内水面漁業調整規則でブラックバスとブルーギルの移植放流を禁止しました。

 ブラックバスやブルーギル以外の外来魚に対しても、北海道の水産資源や河川・湖沼の生物環境への影響を考えると、何らかの対策を検討していかなければならないと考えられます。

 このようなことから、内水面漁場管理委員会では小委員会を設置して、ブラウントラウト、ニジマス、カワマス及びカムルチー(ライギョ)に関する今後の対策について検討されています。

 6月末までに3回の小委員会が開催され、道内の保護河川又は資源保護河川である44河川のうち10河川でブラウントラウトの生息が確認されていることなどが報告されたほか、移植放流の禁止についても言及されています。

 また、既に生息している外来魚の扱いについても検討されており、これらの内容について今後も小委員会で継続して検討され、本委員会で方向性を協議し、対策が講じられていくことになります。



外来魚を放流する必要のない環境を

 しかしながら、外来魚の問題は規則などで移植を禁止したからといって解決するものではないと考えています。

 この広い北海道で違法な放流を常時監視をしていくことは難しいことであり、道内にブラックバス等を生息させないためには「違法な移植放流はしてはいけない、させない」との世論の醸成や「外来魚を放流する必要のない」環境づくりも必要となるでしょう。

 外来魚を放流する原因のひとつとして「釣れる魚がいなくなった。少なくなったから。」と言う人がいますが、釣りの対象のためだけに外来魚を放流することは、支持されることでしょうか。在来種の放流であればどうでしょう。

 ただ単に在来種を増やすために放流すれば良いとのことでもないと思います。北海道の河川・湖沼を、そこにある水産資源をどのように利用していくのか、管理をどのようにしていくのかなど、様々な問題を関係者が議論し、その方法を検討し実行していくことが重要であると考えます。

 ブラックバスなどの外来魚がひとたび放流されてしまえば、その駆除を行うことは非常に大変であることや、大変であっても駆除しなければ大きな影響があることを道南の例に痛感しているところであります。

 現在移植放流が禁止されているブラックバスとブルーギルの移植をくい止めることが出来れば、今後の外来魚対策も実行ある対策とすることが出来ると考えます。

 関係者の皆様のご協力をお願いいたします。


「北海道・淡水魚保護フォーラム No.3 「ちょっと待った!その移植放流」
(2002年7月6日、川湯観光ホテルコンベンションホール) 講演要旨
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